おおたクリエイティブタウン研究プロジェクト The OTA Creative Town Study Project



おおたクリエイティブタウン研究プロジェクト
The OTA Creative Town Study Project

 

in 2019

モノづくりのまちづくり 〜工場のまちの魅力を次世代に継承する〜

Town planning utilizing manufacturing

– Passing down the charm of the factory town to the next generation –

 

 大田区は中小規模の工場が日本一集まる街として、工場を中心とした地域コミュニティを形成してきました。しかし近年は職人の後継者不足による工場自体の廃業に加え、廃工場跡への小規模住宅の建設及びそれとともに地域外からの新規住民が増加していることもあり、工場や職人と住民との関係の希薄化や工場の街としてのアイデンティティの消失が危惧されています。それらを受け、このプロジェクトでは工場や職人と住民が良好な関係を築く街を目指し、モノづくりを活かしたまちづくり活動を行っています。

 町工場の職人が主体となって年に一度、工場を一般の方に向けて開いて見学やワークショップを行う「おおたオープンファクトリー」に学生企画として参加しています。今年は“WAZAPARK”と題し、町工場での廃材から作ったからくり装置や職人による子供向けの一日授業等、子どもたちが遊びながらモノづくりの魅力を体感できる企画や空間の設計を行い、当日は500人超の方が会場を訪れました。また、町工場を改装した拠点「くりらぼ多摩川」とも連携し、そこでの活動を外部に発信する“くりらぼ通信”の制作や、開催される各種ワークショップのお手伝いにも随時取り組んでいます。他に、工場の後継者問題の解決に向けて工場と工場で働きたい人たちを繋ぐ「Biz OOF」にも協力し、参加工場のパンフレット制作等を行っています。

 今までの取組みを継承・発展させながら、地域住民の方がもっと日常的に工場の街の魅力を感じられる「地域への浸透」や、工連等とも連携を行いながらモノづくりを起爆剤にしたまちづくりを大田区全体で進める「活動規模の拡大」を目指していきます。

■学生:10名  / 担当教員:野原卓

■連携・協力:一般社団法人おおたクリエイティブタウンセンター、一般社団法人大田観光協会

■サイト:https://www.o-2.jp/mono/


2018年度

町工場の後継者不足に向き合うモノづくりのまちの将来像を考える

 

 大田区は日本有数の工場集積地で、小さな工場が集まりそれぞれの持つ技術を生かして助け合いながら発展してきました。しかし、かつては9000以上あった工場も今では3分の1ほどになり、現在も年々工場数は減少しています。背景には後継者不足や、近隣の住民からの工場の音や臭いへの苦情の増加が挙げられます。その一方、日本や世界に誇れる高い技術力を持った多くの工場が今でもこの大田区には残っています。こうした現状に対し、“工場のまち”という資源を活かした、まちづくりの将来像を提案・実現していくことが当プロジェクトの目的です。
 使われなくなった工場を改装して2013年にオープンした「くりらぼ多摩川」では定期的にワークショップやトークショーなどを行い、工場の方や近隣の住民、モノづくりに興味のある人々がつながる窓口として機能しています。また、今年で8回目となった、50近く工場を見学できる、おおたオープンファクトリーに合わせて、新たにシュウカツプロジェクトを立ち上げました。これは工場の後継者不足に対して、①各企業をわかりやすく紹介するパンフレットの作成 ②就活生向け工場ツアーの実施③工場の方々が町工場の仕事の魅力を発信するシュウカツ説明会の3つを行い、学生や若手の人々に工場への就職活動を考えてもらうきっかけを作るものです。そして、12月には全国からモノづくりを通したまちづくりを行う方々が集まるシンポジウムで、学生中心の話し合いや調査を元に大田区のモノづくりのまちとしての将来像の提案を行いました。
 今年度はパンフレット作成のために工場への取材を多く行い、学生それぞれが町工場の抱える問題に直接向き合い考えるきっかけになりました。来年度はそうした経験を活かし、より多くの人々にむけて発信して、町工場への就職につなげていけたらと思います。

 

■学生数:11名 / 担当教員:野原卓
■連携・協力:大田観光協会、工和協同組合
■サイト:https://www.facebook.com/kurirabo/

モノづくりを活かしたまちづくり  〜もっとモノづくりを身近に

 

<2017年度の活動報告>

 高度経済成長を支えた製造業がこの先どうなるのか、どうしたら未来に活かせるのか、ということは社会全体の課題でもあります。私たちがフィールドにしている東京都大田区には町工場が数多く残っているものの、町工場の近所に住んでいる人でさえモノづくりのまちであるという実感が少ないです。おおたが活発なモノづくりを継続するため、そしておおたを誇りあるまちにするためには大田区民がモノづくりのまちを学び、理解し、そして応援する必要があります。モノづくりに関わる製品、技術、職人、工場建築、都市基盤などの多彩な資源を活かしたまちの将来像を実現するために、モノづくりを身近に感じてもらえるような活動をしています。

 活動の拠点となっているのは大田区矢口の工場長屋内にある旧工場・旧事務所部分を改修した『創造製作所くりらぼ多摩川』(通称くりらぼ)です。職人のトークショーやDIY好きの集まりが開かれる、モノづくりのまちならではの集いの空間です。私たちの活動は主に3つあります。

1)おおたオープンファクトリーでの企画実施

工和会館を一日模様替えして、モノづくりの魅力を伝える『WAZACAFE』・地元商店街とコラボした『くりらぼカフェ』・まちの魅力ある風景を様々な視点で切り取った写真展『新田丸百景』

2)子供向けワークショップの企画『くりらぼワークショップ』

バネ工場と協力してスプリングドラムを作る・まちのお気に入りの場所を探して写真で切り取る

3)活動の発信媒体『くりらぼ通信』の発行

 今年度は今まで以上に大田区に足を運び、よりまちに入り込んだ活動を行うことができました。来年度は、これまでの活動でできた人とのつながりや発見したまちの魅力を大切にしつつ、モノづくりを活かしたまちづくりへと繋がる新しく楽しい活動が生まれてくることを期待します。

 

■学生数:10名 / 担当教員:野原卓

■連携先:ー社)おおたクリエィティブタウンセンター、(一社)大田観光協会、工和会協同組合

■サイト:

HP:http://www.o-2.jp/mono/lab/

Facebook:  https://www.facebook.com/otaopenfactory/

Text by 「横浜国立大学 地域実践教育研究センター Annual Report 2017-2018