Yokohama National University


文理融合による防災・復興総合研究拠点


研究テーマ:東日本大震災の経験を踏まえたグローバルな視野による総合研究

(1) 研究目的

東日本大震災は津波による大災害からの復興という重たい課題を突きつけているが、特に21世紀的という意味では、原子力災害からの復興という困難な課題の解決が緊急を要するテーマとして浮かび上がった。これは原子力科学そのものというより、それを社会的技術として利用するシステムや制御方法の問題点を象徴的に示したといえる。ここでいう「利用するシステムや制御方法」とは、単に科学的に原子からエネルギーが取り出せるという技術だけを指すのではなく、人間が安定的かつ安全にそれを利用できるための、より広範な、法律や政治(ガバナンス)、財政や情報伝達等も含む総合的なものである。同様に津波災害には堤防などのハードと共に避難や伝承などのソフト面が重要であること、最近のタイにおける洪水でも明らかになったようにサプライチェーンのグローバル化によりある地域の被災が国境を超えて深刻な経済的影響を与えており、災害リスクを国際的視点で捉えることが重要であることなど、災害が惹起する課題はきわめて広範かつ総合的である。
こうした課題に対処するには、各専門が力を合わせ、その能力を互いに発揮しあって新たな課題の本質を見極め対処することが不可欠である。それは東日本大震災後の復興に限らず世界で同時に起こりつつある災害や、これから起こりうる災害に備えるためにも必要であり緊急性を要する。
そこで本学内の関連教員が研究拠点を形成して、実践的な研究をグローバルな視野をもち行うと共に、その成果は教育や実際の災害現場にも反映させることを目的とする。

(2) 研究内容・方法

以下の4つのアプローチを並行して行う。

@災害現場の検証と現地研究者等との交流
東日本大震災のみならず、四川地震やトルコ地震等の災害現場、さらには今後想定されるが被害の状況は予測できない将来の災害等を共通のフィールドとしながら、国内外の現地の研究者等とも交流を深め、相互の学びを通して総合的なソリューションへの途を模索する。例えば四川地震に関連して既に四川大学(災後重建管理学院)との交流がスタートしている。国際的な視野をもちつつ地域実践につながる研究活動を進める。

Aシンポジウム・研究会の開催による知見の深化
議論の成果、調査の成果等を持ち寄り研究会を開催するとともに、年度末等の区切りの時期にシンポジウムを開催して成果の共有と深化をはかる。

B連続講義による論点の抽出
大学院レベルの講義でこうしたテーマを取り上げ、15回の講義時間を通して各研究者がそれぞれの専門領域から講義を行い、受講生もディスカッションに積極的に参加することで、論点の抽出を行うとともに教育効果もあげる。

C提言活動
さらに以上の成果を踏まえたソリューションを中心に提言をとりまとめ、中間提言、最終提言の形で情報を社会に発信する。
      

(3) 研究期間:平成23年12月1日 〜 平成26年3月31日


(4) 研究グループメンバー

氏名 所属部局(部門分野)・
職名
現在の専門・
学位
役割分担等
田才 晃 都市イノベーション研究院・
教授
建築学・
工学博士
全体総括
長谷部勇一 国際社会科学研究科・
教授
経済学・
経済学修士
社会科学部門統括
佐土原 聡 都市イノベーション研究院・
教授
建築学・
工学博士
工学環境部門統括
池田 龍彦 国際社会科学研究科・
教授
開発経済・
工学修士
法律系
八木 裕之 国際社会科学研究科・
教授
経営学・
会計学博士
経営系
池島 祥文 国際社会科学研究科・
准教授
経済学・
経済学修士
経済系
北山 恒 都市イノベーション研究院・
教授
建築学・
工学修士
建築意匠系
楠 浩一 都市イノベーション研究院・
准教授
建築学・
工学博士
建築構造系
高見沢 実 都市イノベーション研究院・
教授
建築学・
工学博士
都市計画系
中村 文彦 都市イノベーション研究院・
教授
都市基盤工学・
工学博士
都市交通系
小ケ谷千穂 都市イノベーション研究院・
准教授
社会学・
社会学修士
社会系
彦江 智弘 都市イノベーション研究院・
准教授
文学・
文学博士
文化芸術系
江口 亨 都市イノベーション研究院・
助教
建築学・
博士(工学)
建築生産系
佐々木 淳 都市イノベーション研究院・
教授
都市基盤工学・
工学博士
海岸工学系
勝地 弘 都市イノベーション研究院・
教授
都市基盤工学・
工学博士
基盤構造系
谷 和夫 都市イノベーション研究院・
教授
都市基盤工学・
工学博士
地盤工学系
山田 均 都市イノベーション研究院・
教授
都市基盤工学・
工学博士
都市基盤系
 

参考資料1

・東日本大震災の被災建物調査による復興支援(4月〜6月)。(左の写真)
・2008年四川大地震復興状況視察(9月)。(右の写真)

 


参考資料2

・本年度にスタートした「文理融合型による防災視点の都市・地域づくり」。
・下のニュースは課題出しの風景(2011.6.30)。市民や学生・院生も多数参加。
・平成23年度は11/29、12/13、1/26に「ミニサロン」を、2/27に総括シンポを開催しました。

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